『新訳 弓と禅』オイゲン・ヘリゲル(角川ソフィア文庫)2015年
無心の離れ『弓と禅』で読む手放し方。
無心になること
ドイツ人のオイゲン・ヘリゲルは、東北帝国大学講師として、1924年から1929年の間、日本に滞在していました。
その間、阿波研造に師事し、弓道の稽古を通じて、禅・無心を学び、日々の鍛錬によりその神髄へと辿り着きます。
本書では、弓道のみならず、茶道、華道、能楽道、墨絵など芸道の奥義は「無心」になることと語っています。
この新訳『弓と禅』は、1948年『弓と禅』(原題『弓道における禅』)と、その元になった講演「武士道的な弓道」(1936年)を1冊にまとめたものです。
「弓道はスポーツではありません。したがって、あなたの筋肉を発達させるようなことは何もしません。あなたは、腕の力によって弓を引っ張らず、弓を『精神的』に引くことを学ばねばなりません」p23
師は言われました。「あなたの一番の欠点は、まさにあなたがそのように立派な『意志』を持っていることです。あなたは、矢がちょうどよい時だと『感じ』、『考え』た時に、矢をすばやく射放そうと『意欲』され、意図的に右手を開いています。つまりそのことを意識しています。あなたは無心(absichtlos)であることを学ばねばなりません。射が自然に離れるまで、待たなければなりません」p27
「射に失敗しても、そのことに腹を立てないようにすべきことは、前から御存じのことです。射がうまく行っても喜ばないことを付け加えなさい。快・不快の間を行き来することから離れなければなりません。P140
小手先だけのテクニックに頼らず、コストパフォーマンス、メリット&デメリットから離れ、物事の本質に迫る。
別ジャンルにも共通する考え方で、仕事や勉強、普段の生活の中でも『弓と禅』のエッセンスは生きてきます。

新訳 弓と禅 付・「武士道的な弓道」講演録 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫) [ オイゲン・ヘリゲル ]
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