『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』佐藤 舞(KADOKAWA) 2024年

あっという間に消える時間、その原因を探る


時間だけが過ぎ去っていく


「なんとなくスマホのゲームや、SNSを見ていると時間が過ぎている」
「せっかくの休日なのにだらだらしていたら、気づくと夜になっていた」
「会社と家の往復だけで、実生活では何もしていないのに10年経っていた」

 流されるまま生活していると、知らず知らず、時間だけが過ぎ去っていきます。
そんな、なぜこんなにも時間が速く過ぎていくの?という疑問に真正面から答えたのが、本書『あっという間に人は死ぬから』になります。

私は本書で次のような課題を設定しました。
「私たちの身の回りは、生活を便利にしてくれるはずのテクノロジーや生産性アップのライフハックであふれているのに、なんとなく本質的な悩みが解決されないまま時間だけが過ぎていっている気がする。
このままでは、あっという間に死んでしまうのではないか」

p17

本書の構成としては、
1章 人生の浪費の正体を暴く (起)
2章 人生の3つの理(死・孤独・責任)と向き合う (承)
3章 自分の本心を掘り下げる  (転)
4章 本心に従って行動する   (結)
  と、非常にわかりやすい構成になっています。

 本書は、統計を専門とされるデータサイエンティストの佐藤舞(サトマイ)さんの著書になります。YouTubeにも動画がたくさんありますので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。


死と太陽は直視できない


17世紀のフランスの文学者、フランソワ・ド・ラ・ロシュフコーは「死と太陽は直視できない」といいました。これほどまでに人間の本質を的確に表している言葉はないでしょう。この一文が、本書においての最重要キーワードです。
p56

 私たちが直視できないもの、それを①死、②孤独、③責任であると紹介しています。老いや病気、寂しさ、自由に伴う責任。こういったものを無意識的に避けるために、私たちは、消費行動やゲーム、SNS、アルコール、ワーカホリックなどの代替行為で回避し、不安を打ち消そうとしています。本質的なものと向き合うのを怖れ、自らコントロール権を手放します。

 また、漫画『鬼滅の刃』で主人公・竈門炭治郎が、鬼になってしまった妹の禰豆子(ねずこ)を切らないでほしいと富岡義勇に命乞いをする場面で、義勇が「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」と炭治郎を叱咤するシーンを取り上げ、「自分を思いのままにできる権利を他人に託すのはやめろ」というメッセージとして紹介しています。
 自分の人生を自分でコントロールできる感覚が、幸福感や満足度に影響を与えているという研究事例も多いそうです。


価値観に沿った目標設定


 目標設定で重要なことは、目的、目標、手段の3段階に分けて行うことで、目的は、自分の軸であり、どうありたいか、自分の本心に従ったもの。目標は、中間ゴールで、手段は、日々の習慣的な行動であるとしています。
 この目的、目標、手段の設定の明確化と見直しが大事であって、本書では週1回の見直しを勧めています。

 また、変えられるものと変えられないものを区別し、価値観(仮説)は、どんどん入れ替えていった方が、トライ&エラーで、自分の糧になるとしています。
 いきなり、自分のことはわからないので、少しずつブラッシュアップ、チューニングしていくような感覚ですね。

 一時的な不安の解消は、真の解決にはつながらず、それは依存を引き起こし、余計に不安を増大させます。時間を食べつくすモンスターの正体を知り、それと向き合う姿勢と方法が書かれた羅針盤のような一冊です。


あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方 [ 佐藤 舞(サトマイ) ]

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